災害事例
H型鋼が吊クランプから外れ落下 1名死亡
災害発生状況
 災害発生事業場では、工事現場で使用される鉄骨の加工・組立作業が行われていた。
 作業者A及びBは、まず作業台を造るために、前日から床に東西方向においてあった鉄骨と工場の壁際においてあったH型鋼(長さ4.8m、重量550kg)を用いて平行に置きサ行台とすることにした。
 このH型鋼をホイスト式天井クレーンを用いて運搬することとした。
 作業者BはH型鋼の真ん中付近にクランプをはさみ、クレーンのフックにワイヤーロープを掛けた後ペンダントスイッチを操作しH型鋼を吊り上げた。約2mほど吊り上げた状態で吊荷を運搬し障害物を越した後、約1.5m巻下げた。被災者Aは、吊り上げたH型鋼の端を持ち吊荷をおろす位置へ誘導し始めたが、このときクランプがH型鋼から外れ、近くの障害物の角にH型鋼が当たってバウンドし、被災者Aのほうに落ちAはH型鋼の下敷きとなった。

災害発生原因
1 被災者Aが運搬中の吊荷の鉄骨を直接誘導しようとして、吊荷に近づいたこと。
2 長さ4.8mの長尺物の鋼材を不安定な状態になりやすい1箇所で吊ったこと。
3 クランプの挟み付ける面が磨耗しており締め付け力が低下していたこと。またクランプでH型鋼の1端のみを挟んだため、吊り上げたときにこの面が少し下向きになりクランプが外れやすい状態になったこと。
4 両名とも玉掛け技能講習を修了しておらず、玉掛け作業に関する十分な知識を有していなかったこと。

対策
1 クレーン運搬中の吊荷に近づかないこと。また吊荷の下には入らないこと。
2 長尺物の鋼材等を吊る場合には、荷が不安定とならないよう一本吊りは行わないこと。
3 吊りクランプを用いて作業を行うときは、作業を開始する前に異状の有無について点検を行うこと。
4 玉掛け作業には必ず有資格者を就けること。